「そっか…。」

俺はそれだけ言って、冷たい風で真理亜の涙が乾くのを待った。

『ザワザワザワ』


草花が揺れ動く音が酷く冷たく感じた。

「ねぇねぇ」
涙が乾いて心が晴れたのか真理亜の口調が戻っていた。
「ん?」

「健斗さぁ~兄弟いんの?」

「あぁ姉ちゃんがいるけど…。」

「い~なぁ!ずりぃずりぃぞ!!!!!!姉ちゃんがいたらさぁ109とか行けんのにぃ!」


「そんなに甘くないけどね……。」


「あ?」

「あっそうだね………。」

真理亜はよしよしと言いながら立ち上がった。

「よし健斗、帰るとするか!」

「そうだね…。」

2人、サブイサブイと言いながらこの丘をあとにした。