桜をソファーに座らせて、話を聞く。


「・・さて、桜。話してくれる?」


静かな夜に響く声。
満月がコチラを見ている。



遠慮がちに開かれた口から思いもしない言葉が飛び出してきた。



「___好きなんです・・・」

「「___え?」」


___レ〇?


見事にハモったあたしたちはお互いを見た。そして、どっちが?とアイコンタクトで話す。


“いやいや、夢羽あんたでしょ。光の姫君”

“いやいや、あたし話したの今日初めてだよ!?普通、憧れるとしたら上司でしょ!”


むー、とお互いを睨む。
そんなあたしたちを意に介さず、真っ赤に頬を染めて恥ずかしそうに俯く。


““・・・・・””


そしてはぁ、と溜め息を軽くついて。


「誰を好きなの?」


どっちを好きなの?
などとヤボなコトは口が避けても言わない。ってか言えない。
そう聞くと桜はもっと紅く頬否、顔全体を染めて小さく恥じらいのある声で囁いた。



「___太陽さんです」

「「・・・あぁ!!太陽ね!!!」」


また見事にハモったが、桜がレ〇ではない。という安堵からあたしも夢羽もあまり気にとめなかった。