「疲れたー!」
やっと部活終了。
今から光を迎えに行ってきます。
「あ、里乃先輩。お疲れさまです。」
「え?あ、さようなら。」
今挨拶してくれたんは光の部活仲間。
友達の彼女やから挨拶くれたんかな?
照れるやん!
「里乃さん、ごめん。
お待たせしました。」
「あ、光!」
部活後は駐輪場で待ち合わせして一緒に帰る。
光と付き合ってから毎日そうしてる。
んで、あたしのチャリに二人で乗って。
もちろんあたしが後ろな?
「…おりゃっ!」
「ぅわ!ちょっ、里乃さん。
急に抱きつかんといてや。」
「え、照れ隠し?」
「ちょっと里乃さん、頭大丈夫ですか?」
「ひどっ!泣いていいですか?」
「どうぞ勝手に。」
「でもあたしが泣いたら光が慰めてくれるやろ?」
「…アホか。」
そんな話してるうちにもうあたしの家の前。
光とばいばいするこの時間が一番嫌い。
週末の土日は光が泊まりに来てくれるから寂しくないねんけどな。
「じゃぁな。」
「うん。送ってくれてありがとう。」
「ん。」
「光、好きやで!…じゃっ。」
なんか改まって言ったら照れるな。
って思って急いで家に入ろうとしたら。
グイッ
「え?」
腕を引っ張られたかと思ったらあたしの唇に光のが重なっていて。
「また明日、里乃さん。」
そう一言声をかけて家路を歩き出した光。
「え、ええぇぇぇ!?」
突然のことに驚きすぎたあたしはしばらくそこから動かれへんかった。
これがあたしのいつもとちょっと違った1日です。

