「中間の順位みた?」

唐突な瀬尾の質問に、藤原は首を横に振った。


「なんと今回、智史が初の一位ゲット!

なぜか本人より俺の方が盛り上がってんだけどさ。ちなみに藤原は十三位だったよ」

「そうなんだ。おめでとう森本」

藤原がニコニコと邪気のない笑顔で俺の健闘を称えてくれた。

「……ありがと」


「藤原は今回、何かあったの?いつも一位なのにさー」

毎日食ってるカレーパンをうまそうに齧りながら、瀬尾がさらりと聞いた。


「んー…別に何もないよ。そんなもんだよ」

藤原もさらりと答えると、眉間に皺を寄せ、ミックスサンドの包装を剥がすことに集中し始めた。


今の藤原にとって、最重要関心事項はミックスサンドを食うことで、

中間試験の結果が一位だろうが十三位だろうが大したことではなさそうだった。



もうちょっと悔しそうな顔とかしろよ。


俺ばっかり必死でバカみたいだから。