「今、車は何を? あ、車もってる?」
「あ、うん……まあ」
「あぁ、そうだったな。なんだっけ?」
「BM。車種は忘れた」
先回りしておく。
「ああ、樋口のお嬢様の友人の頂き物だったな」
その切り替えしは早い。
「……まあ」
「やるなあ」
「何もやりません」
榊は何が可笑しいのか、妙に笑っていた。
映画館は本当に近く、ものの5分で到着してしまう。榊はさっとシートベルトを外し、先に外へ出ると、ちゃんとドアを開けてくれた。
ああ、そうだった、と思いだす。
「何観たい?」
「アクションかな……」
2人は館内に入るなり、見たい映画がないことに悩んでいた。ここで恋愛映画を見る気には、さすがになれない。
「うーん、字幕がないなあ」
そういえばそうだ。
「いいわ、字幕なくても」
「それじゃあ全然意味が分からないだろう?」
彼はおかしそうに笑う。
「まあ、雰囲気が分かれば……」
「買い物でも行く?」
「映画が見たい」
「あそう……じゃあまあとりあえず見るだけ」
10時半開演のアクション映画は人も空いており、まさか手など握るような雰囲気にもならない。
30分ほどとりあえず見ただろうか。さすがに言葉が分からなくて飽きてくる。大画面で外人がワーとかオーとか言いながら、車が飛んだりはねたりの繰り返し。
「……」
しばらく榊を見つめてみる。が、なかなかこちらに気づかない。
「、何?」
ようやく気づいたかと思えば少し驚いている。
「……やっぱり……」
「分からないだろう?(笑)」
「……買い物行こうかな」
「いいよ。出よう」
榊も多分そんなに面白くはなかったのだろう。
さっと立ち上がり、手をとってくれる。
香月はその手に簡単につかまると、後ろも振り向かずに映画館から出た。
榊が開けてくれたドアから再び車内に入る。
「どこ行く? 何買いたい?」
「この車、運転してみたい」
「あ、うん……まあ」
「あぁ、そうだったな。なんだっけ?」
「BM。車種は忘れた」
先回りしておく。
「ああ、樋口のお嬢様の友人の頂き物だったな」
その切り替えしは早い。
「……まあ」
「やるなあ」
「何もやりません」
榊は何が可笑しいのか、妙に笑っていた。
映画館は本当に近く、ものの5分で到着してしまう。榊はさっとシートベルトを外し、先に外へ出ると、ちゃんとドアを開けてくれた。
ああ、そうだった、と思いだす。
「何観たい?」
「アクションかな……」
2人は館内に入るなり、見たい映画がないことに悩んでいた。ここで恋愛映画を見る気には、さすがになれない。
「うーん、字幕がないなあ」
そういえばそうだ。
「いいわ、字幕なくても」
「それじゃあ全然意味が分からないだろう?」
彼はおかしそうに笑う。
「まあ、雰囲気が分かれば……」
「買い物でも行く?」
「映画が見たい」
「あそう……じゃあまあとりあえず見るだけ」
10時半開演のアクション映画は人も空いており、まさか手など握るような雰囲気にもならない。
30分ほどとりあえず見ただろうか。さすがに言葉が分からなくて飽きてくる。大画面で外人がワーとかオーとか言いながら、車が飛んだりはねたりの繰り返し。
「……」
しばらく榊を見つめてみる。が、なかなかこちらに気づかない。
「、何?」
ようやく気づいたかと思えば少し驚いている。
「……やっぱり……」
「分からないだろう?(笑)」
「……買い物行こうかな」
「いいよ。出よう」
榊も多分そんなに面白くはなかったのだろう。
さっと立ち上がり、手をとってくれる。
香月はその手に簡単につかまると、後ろも振り向かずに映画館から出た。
榊が開けてくれたドアから再び車内に入る。
「どこ行く? 何買いたい?」
「この車、運転してみたい」

