そんなはずはなかった。だって、芸能人なんて軽いし。自分になびかない素人が珍しいんだと思った。
だがその反面、本当にレイジが自分を心底愛してくれたら何か変わるだろうかと考えないでもなかった。別に、それはレイジだからというわけではなく、例えばユーリであっても、誰であっても。
今までの人生の中で、男性にアプローチをされたことは何度かある。だが、一度断れば大抵の場合は引いた。レイジのように強引に詰め寄られたことは一度もない。だけど、本当にそれくらい、愛せると思っているのなら……。
ユーリに相談してみよう。一番にそう思った。ただ、彼はレイジの信者なので、「ええ奴よ」と軽くいうことは半分分かっていたが、思考を少しでも前に進めてみたかった。
翌々日、仕事から帰宅して、すぐに部屋に入る。運よくユーリは自室にこもっていた。
ノックをしてから、中に入る。ユーリはパソコンで何か作業をしていたが、まだシラフのようだった。
すぐに、
「ちょっと相談したいことがあるんだけど」
「ちょっと待って」
いつものことだ。これが30分くらい続き、その辺りの雑誌を読み散らかすこともあるが、まあ明日は昼からの出社だし夜中まででも待とう。
それが意外に本を選ぶより早く、
「なにー」
とディスプレイを見たまま話しかけてくる。
「いやあのね……」
「うん」
いつものスタイルで、香月はベッドへ、ユーリはそのままパソコンチェアのまま向かい合った。
「昨日、レイジさんに付き合って欲しいって言われた」
「おぉ、ついに言うたか!(笑)。あー、俺も肩の荷が下りるー!!」
ユーリは大げさに両腕を上げて背筋を伸ばした。
「え? 肩の荷が下りるって?」
「もうなー、この生活が一体どんだけ大変だったことか、しくしく」
「なんで?」
だがその反面、本当にレイジが自分を心底愛してくれたら何か変わるだろうかと考えないでもなかった。別に、それはレイジだからというわけではなく、例えばユーリであっても、誰であっても。
今までの人生の中で、男性にアプローチをされたことは何度かある。だが、一度断れば大抵の場合は引いた。レイジのように強引に詰め寄られたことは一度もない。だけど、本当にそれくらい、愛せると思っているのなら……。
ユーリに相談してみよう。一番にそう思った。ただ、彼はレイジの信者なので、「ええ奴よ」と軽くいうことは半分分かっていたが、思考を少しでも前に進めてみたかった。
翌々日、仕事から帰宅して、すぐに部屋に入る。運よくユーリは自室にこもっていた。
ノックをしてから、中に入る。ユーリはパソコンで何か作業をしていたが、まだシラフのようだった。
すぐに、
「ちょっと相談したいことがあるんだけど」
「ちょっと待って」
いつものことだ。これが30分くらい続き、その辺りの雑誌を読み散らかすこともあるが、まあ明日は昼からの出社だし夜中まででも待とう。
それが意外に本を選ぶより早く、
「なにー」
とディスプレイを見たまま話しかけてくる。
「いやあのね……」
「うん」
いつものスタイルで、香月はベッドへ、ユーリはそのままパソコンチェアのまま向かい合った。
「昨日、レイジさんに付き合って欲しいって言われた」
「おぉ、ついに言うたか!(笑)。あー、俺も肩の荷が下りるー!!」
ユーリは大げさに両腕を上げて背筋を伸ばした。
「え? 肩の荷が下りるって?」
「もうなー、この生活が一体どんだけ大変だったことか、しくしく」
「なんで?」

