Rainy days never stay~心の傷痕~

「本当にごめん。
もっと早く話せば良かったんだ。」

私は首を横に振る。

「違う、陽樹さんは悪くない。
私があの時ちゃんと話を聞かなかったから。
私にその勇気がなかったから。
それにね、ストーカーの件だって陽樹さんは悪くない。
むしろ被害者なんだから。
きっと一条さんのことがなくてもあの男、いつかは行動を起こしていたと思う。」

あなたはそれを止めて、私を助けてくれた。

「ありがとう。」

彼が私の肩に顔を埋めて言う。

何でお礼なんて言うの。

私が言いたいのに。

「あの傘、陽樹さんのだったんだね。
今でも私、持ってるよ。
私のお守りなんだ。」

「俺、すごく嬉しいんだけど。」

彼の腕に力が入り、さらに強く抱きしめられた。

「陽樹・・・さん。・・・痛いよ。」

「あっ、ごめん。」

でも、これは幸せの痛み。

彼は少しだけ、力を緩めてくれた。