Rainy days never stay～心の傷痕～

「君には今日付けで会社を辞めて貰うよ。
上に話は通してあるから。
もう一度忠告しておく、二度と桜子に近づくな。」

彼女は一瞬立ち止まったが、すぐに駆け出し扉から出て行った。

部屋が静寂に静まり返る。

私は目の前で起こった出来事に頭がついて行けず、軽い放心状態に陥っていた。

色々聞きたい事は山積みなのに、言葉が出ない。

そんな私を見て、彼は黙って私の側にいてくれた。

そしてその日の午後、彼女・一条美咲さんは会社からいなくなった。