Rainy days never stay~心の傷痕~

「恐らく、桜子の家にあの男が電話をするようになったのはそのときからだろう。
では、なぜそんなことが起きたのか?
もし、初めからストーカー男が桜子の番号を知っていたのなら、すぐにでも電話していたはずだ。
つまり、これはその時期にタイミング良く番号を奴が入手したことを意味する。」

「まさか・・・。」

「ああ、渡したのは恐らく一条さんだ。そうだよね?
しかも桜子の鞄に忍ばせた盗聴器付きでね。」

だから、あんなにタイミングよく電話がかかってきたのか。

「・・・確かに桜さんのお家に電話しました。
私の相談を聞いて貰ってたんです~。
それを無言電話だなんて・・・。
桜さんが長谷川さんに言ったんですね。
酷い、信じてたのに!」

彼女が泣き出す。

えっ?私そんな電話、記憶にないよ。 

私は陽樹さんに訴える様に首を横に振る。

彼は私に頷き、それから私の手を握ってくれる。