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暑い夏を越え、厳しい寒さの冬を過ぎて少し暖かくなり始めた三月。







私達は三年という長くて短い期間の節目を迎えた。







『只今より、第三十五回卒業式を行います……』







気がついたら始まって、あっという間に終わりを迎えた高校生活。







理由も思い入れもなく入学した学校だけど、いつのまにか大切なものになっていた。







新しい友達や部活のチームに出会わせてくれて、多くの思い出をくれた。






一度じゃ思い出しきれないほど、本当に沢山。








『卒業生、起立。』







今日で最後。







生徒として学校に来るのも、この制服を着るのも。







もうあの長い通学路を自転車で走ることもないんだね…。








『校歌斉唱。』







私を一つ二つと大人へ近づけてくれた大切な場所。









絶対に、忘れないよ…。