…あ、コーヒーの香り。



私が大好きな香りが部屋いっぱいに広がっている。



教官室から香る、この匂いがたまらなく好き。



いや、それともこの香りがする教官室が好きなのかな?




「おはよう、伊緒。」



…どっちも違ったかな。




教官室もこの香りもオマケに過ぎないよね。




「おはよう、先生!!」




教官室で待ってくれてる先生が大好きなんだもんね。




つい寄りかかってしまいたくなる胸板や、すべてを包んでくれる腕。




頭を撫でてくれる手や私の肩に力なく乗っけられる頭。




その全部が、私の大好きなもの。




誰にも見せたくない、私にだけ甘えてくれる先生。




猫みたいで可愛いんだ。




眠い時なんて可愛さ2倍で、ついよしよしって撫でたくなる。




普段からは想像できないよね、そんな無防備な先生なんてさ。