運転席の執事の横顔を、たっぷりと睨み付けてから……窓の外を眺める。

この車は、とても乗り心地が良い。



私の移動の為だけに用意された、国産の高級車だ。

だけど、この車に乗り込むと高速で過ぎていく景色を退屈に眺めているだけで、私の意思はぜんぜん関係なく私を目的地に運んでいく。


化粧品を買いに行くのか、尻料理をしに行くのか分からないけど……

今の私には、どちらも必要ではないのは確かだ。




だけど、その目的地で

柏原は、どんな答えを望んでいるんだろう?




昨日から少し変よね。
急に独占欲が強くなったというか……