「そこを動くな!!!」
突然。外から聞き慣れない声がした。
ガツンと開いた窓からは、見たことのない黒い服を着た男が入ってくる。
しかも、その男……土足だわ!
何よ!
人の屋敷に入るなら、そんな臭そうな靴を履いてこないでちょうだい!
マナーがなってないわ!
しかも、その男ときたら……全身黒尽くしで、汚いひげまで生やしている。
サングラスをしているから年齢不詳だけど……オッサンレベル三くらいの年齢ね?
そして、銃のようなものを私達にむけている。
社交界のマナー
私が叩き込んでやるわ!
「ごきげんよう。今日は素敵な朝ね、私は紫音んんんんっ!」
邪魔するなんて!
狡いわよ!
背後から柏原に口を塞がれて、後ろから抱き抱えられる。
私は、その手に噛み付いてやろうとしたけど……顎からガッチリ押さえつけられていて身動きすらできない!
んんんんっ!
私がマナーを語ろうとしたのに!
手柄横取りするつもりね?
「何の用だ……?」
執事の、黒く冷たい声が響く
「お前達を人質に、しばらくこの屋敷で籠城させてもらう」
人質!?
こっちは、使用人ごっこで忙しいのよっ!
後に、してくれないかしら……
柏原に押さえ付けられ、フガフガっと喚く。
だけど柏原は、拘束を解いてくれるつもりはないらしい。
「広い屋敷だな! こっちに人はいなかった!」
「どうやら、二人だけだ!」



