監禁恋情

その言葉に、目を見開いたのは、幹久だった。

｢一体何故！？
何故俺じゃ駄目なんですか！｣

噛みつくように、叫んだ。
紀一は、驚きはしたが、最初からそんな物に興味はないので、何故兄ではないのかと、少しだけ疑問に思った。

｢それから紀一。｣

幹久の言葉を無視して、父親は続ける。

｢お前は、もう二度とここに来るな。
私を父と呼ぶことも、今後一切許さん。｣

それには紀一も、驚いた。
しかし、兄のように叫ぶことはせず、ただ頷き、うつむいた。

｢一体何故…！｣

｢まだわからんか！！！｣

幹久に、父の怒声が飛ぶ。

｢貴様らは、本当にどうしようもない！
幹久、お前はいつまでたってもネチネチと、子供のようにくだらん嫉妬の念を持ちおって。
紀一。お前は、本当に人の心を読めない鈍感な人間のままだ。
そんな二人を我が息子として世の中に出すなど、それこそ我が家の恥だ！｣

二人は押し黙り、父の言葉を聞く。

｢お前たちの身勝手さが、周りの者にどのような影響を与えたのか、見せてやる。｣

そして、大股でドアに向かった。

｢幹久。紀一。それに和樹も。
私に付いて来なさい。｣