「急に消えんなよ、 心配すんだろ? 七星、聞いてる?」 心配なんかしてないでしょ? 彼女が隣に居るんだから、彼女とだけ話してなよ。 「アハハー…ごめんね? お邪魔になる前に 消えといただけだから」 「はぁ? お邪魔って…あ、おい!」 海路が喋ってる間に私はまた逃げた。 だって無理なんだよ… 『葉山美乙が居る』 その時の海路は 別人に見えて―… 普通に出来ない。 つい、 早口で話しちゃう。 つい、 目を逸らしちゃう。 つい、 つい―……… 逃げちゃうの。