「あのね…」



なんとか声を出すことが出来た。




「此処で抱き合ってたっていうの、違うから。あれね、泣いてたあたしを智也が慰めてくれてた。今だけ胸貸してやるって。友達としてだよ?だからあたしも少し胸を借りただけだった…本当に少しの間よ?すぐ離れたの。その少しの事を拓が見てしまったの。迂闊だったあたしが悪いの。智也の事は本当にいい友達として見てたから…深い意味は無かったんだ。あと…、泣いてた理由はね、鉄の事なの…」






鉄の菜帆への想いを話した。




研はズット黙ったまま聞いてる。






椅子に座って腕組みをして目を閉じて。