母さんは震えながら腰を抜かしている。 母さん、なんでそんなに震えているんだろう…? 口をぽかんと開けて黙っていた父さんが小さな声で静かにこう言った。 「冷…斗。何があったか……詳しく聞かせてくれ……」 血まみれになった僕を見つめながら父さんは冷静にそう言った。 なんでそんな悲しい目で僕を見つめるのだろうか……。 僕は正しい事をしただけじゃないのか…? 僕は何も悪くなんかないはず…。 いや、僕は悪くない。 悪くないんだ――――。