僕は兄さんに向けてバットを振り上げた。 そのバットを思いっきり振りかざす。 白い兄さんの部屋の壁は一瞬にして紅く染まる。 兄さんの頭から紅い液体が流れ落ちる。 兄さんは不気味に微笑みながら刃物を振り回す。 「逃がさないよ…」 兄さんは刃物を僕の方に向けて走り出した。 僕は避けた……つもりだが脇腹をかすった。 脇腹からでる血はゆっくりと僕の服を汚す。 痛い――。 「外しちゃった……。でも次は絶対に外さないよ…」 兄さんは鋭い目で僕を睨みつける。 僕は負けない。絶対に。