「おはよう冷太、受験頑張ってね!」 母さんは嬉しせうにそう言った。 父さんはもう仕事に行ってしまったらしい。 兄さんはゆっくりココアを飲みながらテレビを見ている。 落ちてしまえ――。 そう心の中でつぶやいた。 「じゃあ……行って来ます」 「頑張ってね…!母さん祈ってるから!」 「うん…」 それだけ言うと僕は外へ出た。 あぁ…。受験ってめんどくさいな…。 兄さんは美光高校へ、僕は南高校だもんなぁ……。 僕はため息をついて南高校へ向かった。