結局あまり眠れず、寝不足のまま教室に入る。 席について大きなあくびを一つすると、前の席の奈菜が笑いながら振り向いた。 「おはよ。眠そうだね」 「おはよう」 挨拶を返しながらもう一つあくびが出る。 「彼氏とデートでもしてたんでしょ」 私の机に両肘を置き、頬杖をつきながらいたずらな笑顔を浮かべている。 「違うよ、電話だもん」 私もベーっと舌を出してから笑った。