視線の先に。


『丸山先生、お電話がありますので至急職員室にお戻り下さい。繰り返します…』


「あ、お呼びですか。折角のお休みを…。では、相澤さんまた」

「あ、はい」


先生は手を振って去って行った。


わたしはフェンスを背にまた溜め息を吐いた。


「…そろそろ帰ろう」


わたしは屋上を出て教室に鞄を取りに行くことにした。

教室には誰も残って居なくて静まりかえっていた。