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 東の国でも色々な乙女とカエルを引きあわせててみたが成果はまったく出ず、次こそはと向かった先は南の国だった。

「こっちの国は、美人で気立ての良い人が多いって話をよく聞くわ。だから呪いを解いてくれる乙女も必ず見つかるわよ」

「はい。でも――」

 フードの中にいたカエルが、ギュッと服をつかむ。

「これで呪いが解ければ、この旅とも……セレネーさんともお別れになるのですね」

 不意打ちのしんみりとした声に、セレネーの胸が締め付けられた。

 こういう湿っぽいのは好きではない。
 気分が落ち着かなくて、わざと明るい声を出した。

「旅は終わっちゃうけど、アタシと永遠に会えなくなる訳じゃないんだから」

「……そうですね。会える機会は作ろうと思えばできますからね」

「そうそう。呼んでくれれば王子の結婚式とかにも顔出せると思うし、子どもができたら祝福の魔法をかけに行くつもりだし」

 このセレネーの言葉にカエルからの返事はなかった。

 なにか変なこと言ったかしら?
 セレネーは首をかしげたが、それ以上は気にとめなかった。