Cross Mind




4人、頭を寄せてしゃがんで、一気に線香花火に火をつける。


「っあーなんか俺危ない!早速あぶない!」

右手に持った花火に注意しながら、しきりに叫ぶ章太。

凌はプラスご飯おごりもかかっているからか、黙って火をみつめていた。


「紗奈か愛子、凌のやつに息かけろ息っ」

真剣な凌にわざと聞こえるようにこそこそと章太が話す。

愛子が本当にやろうとするから、あたしは必死に止めた。


「凌のや……っあー!俺落ちた」


「はい終了章太が買ってくれるって〜」


原付の鍵をくるくる回しながら、凌は立ち上がる。


続けてあたしと愛子も立ち上がった。



「章太〜おいてくよー」



バケツを持ち上げた愛子が、章太がまだしゃがむ海側へ振り返る。




_