Cross Mind



今は、今だけはこの時間を壊したくない。

例えば隣で笑うことさえ、許されなくなる日がきても、
思い出だけは輝くように。

いつまでも、凌を好きなこの気持ちに胸を晴れるように。


「紗奈ぁ〜、みてみて!」


沢山の花火を両手に、無邪気に笑う愛子を見て更にそう思った。


「テンション上がってきた俺!」


「最初から上がってんだろ」


「えへ、ばれた」


体をくねくねしながら凌に上目づかいをする章太。


『きもちわる!』



3人の声がきれいに揃って笑えた。





_