「暗くなってきたんじゃない?」
バケツを持ち上げて、愛子が口を開く。
「やりますかぁぁあ!!」
「花火濡らすなよお前」
「ロケットやっちゃおーか♪」
いつか、この4人が4人でなくなる日はくるんだろうか。
章太が、愛子が、凌がいつか誰かと付き合って。
…凌が、だれかと…
それは、何より怖いことに思った。
「さーな?なにぼーっとしてんの」
少し心配そうに顔を覗き込む凌は、あたしの右手に二つほど花火を握らせた。
「ううん…楽しいなって」
「同じく」
いたずらに笑う凌は、手に持った花火に火をつけてあたしに向けた。
「笑ってねーとキモイぞ」
「うるさいなーっ!」
負けじと火をつけて凌へと向ける。
無造作に放物線を描く花火の光が、薄暗い浜辺を照らした。
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