そんなさりげない行動に、またあたしの心臓が跳ねる。 「…それくらい持てるのに」 バケツに入った電子ライターを点けたり消したりしながら、無意識に呟いた。 「い、ち、お、う、女の子だからな」 「一応ってなによー!」 そう言い返して、ふと凌の方を向くと、頭一つ分ほど違う背。 「…背、おっきいね」 「なんでかわかる?」 凌が少しかがんで、目線が同じになる。 「なになに??」 「……お前がちっちぇーの」 冗談ぽく笑う凌の手が、あたしの髪をぐしゃぐしゃにかき乱す。 _