午後7時。
思い立ったらすぐ行動してしまうあたしたちは、凌と章太の原付で近くの海まで来ていた。
もうすぐ日が落ちて、生ぬるい風が少し涼しくなる。
「花火は!」
「「ありますっ!」」
「食料!」
「「あるっす!!」」
「まじテンションあがるわ!」
「海きれーっ♪」
レジ袋をぶんぶん振り回す章太と、いつにもましてハイテンションの愛子は砂浜へと走り出す。
残されたあたしたちはただ笑って見ていた。
「元気だな、あいつら…」
呆れた声の凌の表情は、少し楽しそうだった。
「だねぇ〜……ん゛?」
置いておいた花火の入った袋を持ち上げると、なかなか重い。
「お前はこれ」
手渡されたのはバケツ。
あたしの右手にあった袋は、いつの間にか凌の左手にあった。
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