「ごっ、ごめんね重くない?」
「んーやばい腰外れそう〜」
「ひっど!」
「野球部で鍛えといて良かったわ」
「……もーしらないー」
腰に回した手をゆるめる。
「は、っぶねーよバカ!」
凌は右手を離して、あたしの腕を腰に回す。
「乗ってる感覚もねーよ♪」
少し振り向いたその顔は笑っていた。
どさくさに、ぎゅっと腕に力をいれた。
心臓をぎゅっと掴まれたみたいに
胸がきゅっと苦しくなった。
夕日に照らされる横顔が
あたしの顔を火照らせた。
向かい風のせいかも、わからないけど
何故だか息をするのが難しかった。
人はこんな気持ちを恋と呼ぶなら
あたしはきっと、この人に
…………恋を
してるんだ。
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