「おかしいじゃんっ!」 「何がだ」 「天使が人前に出るの!」 「お前の前に出てるじゃねぇか。あっお前は人間じゃねぇのか。豚とよく似ている種族か」 「ちげぇよ!」 あーったく、とここでべリアルの短い堪忍袋が切れた。べリアルはふわっと口うるさい私から遠のき、すぅーとふつうに壁に向かって歩き始めた。 そのまま行けば間違いなく壁にぶつかるが、そんなへまはしないだろうこの天使は。 「ちょっ!」 しつこく待てという私に一瞥を浴びせ彼はふいっと壁に吸い込まれていった。 静寂が異様にむなしかった。