「貴様ためだけに作られた条例だ」 すっと切れ長め目をさらに細くする。 「人として、下界の状況を伝える仕事であり、人々を幸福にしていくというものだ」 ああ知ってる。 それを目指して俺は真面目に働いてんだよ。 首を回しながら立ち上がり、肩を揉む。 「………行ってくるわ」 働いて働きまくって。他の奴らを嘲るためにいい地位に立つわけではなく ただ、一人の女に会いに行くだめだけに。