人間は欲深い。 目標を果たせればその上へ上へ昇りたがる。 私だってそうだ。 泣き出した私に、ぎょっとした表情をし、参ったというように肩をすくめる。 その次にポンっと私の頭に手を置き、囁いてきた。 「なんで泣くんだよ。ブスが余計にブスになんぞ?」 「うるさい!」 最後の最後まで………! 「最後?何言ってんだナギサ」 ここまで柔らかに名前を呼ばれたのは初めてかもしれない。