「姉貴ー。今日はお時間いただけやすか?」 「はい?」 いつも通り校門で待機していたガクが、ゴマをする仕草で尋ねてきた。 「別に今日は部活もないし………」 大丈夫だよ、と告げると嬉しそうに太陽色に染まる顔。 「だったら姉貴に付き合っていただきたい場所があるんっすよ!」 私は隣にいるマナブに目配せしたが、曖昧にうなずかれた。 ソウだけが私と同じリアクションで瞬きを繰り返していた。