薄暗い閑散とした部屋。 机の上に置かれたテーブルランプだけが暗闇を阻止しようと灯りを灯せている。 写真を手にしたままじっと先ほどから動かない線の細い背中。 「………葉木さん」 ぽつりと呟いた彼の声音は、どこか寂しげな色をにじませていた。 明日から学校が始まる。