あくまで天使です。



「あら。あなたたち何いつもは風のように帰っていくのに、今日は残っているのかしら?」


悪魔姫、月緋はこぼれおちる怒りを抑える気すらないようで、にこやかに部員の頭をつかんだ。


掴まれた部員は悲鳴を上げ、とっさに月緋から距離をとる。月緋は気に障った様子ではなく、逆に笑みの色を濃くした。


「とっとと帰りなさい。明日から学校だからね」


ゆっくり休みなさい、と号令を下され、部員たちは不満顔だったがぞろぞろと解散していった。


名残惜しそうにこちらを見ていく女子も数名いる。