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■ 雨のせいにした











だから、守らせて。









本日土曜日。
午前中は県立図書館で時間潰して、午後からは茗子の家にお邪魔する予定。
茗子の好きなケーキ屋に寄って、イチゴタルトとミルクプリンを購入。
銀が「俺の分は?」とか言いそうだけど、買わない。
高校生に、どうでもいいことに使える金などない。
僕にとって大切なのは茗子だけであって、他はどうでもいいのだ。

なのに。


「はい、ケーキセット。」


カウンター席。
ニコニコしながら僕の前にケーキセットを置く兄さん。
羽田野家に向かう途中で拉致られ、不本意ながら座ってる僕。


「…兄さん、僕が持ってるもの何か知ってる?」


「ケーキでしょ?
大丈夫だよ、玲央なら朝昼晩ケーキでも平気だから」


まぁ、確かに平気だけど。
僕は答えずに、出されたモンブランにフォークを入れた。



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