「こ、これ…」

そんな事を考えていると
ひとつの日記帳に目が止まった。

茶色のカバーで珈琲カップの絵が描いてある。

そして何より…

リンっ…

かるくふると音が鳴る。

「これ音鳴るじゃん!」

明菜が食いついてくる。

「これにする」

私は日記帳を買った。

「やっとピンときたー?」

明菜がやっとかとでもいう風に
私に聞いた。

「待たせてごめんね」

私は軽く笑った。

「アイス、奢ってよね!」

明菜は口をとがらせ、笑った。

「仕方ないな」

私も笑い、アイスを食べに
フードコートに向かった。



私が感じていた'何か'は

勘なんかでもピンとくるもの
なんかでもなかった。

あれは本当に運命だったのかも
しれない。