「うーん」

「もうこれでいいじゃん」

はっと顔を上げて
明菜の持っている日記帳を見る。

「ダメ。ピンとこない」

私の言葉に明菜が肩を落とす。

「鈴音と買い物に来たらいつもこれだよ。だいたい、ピンとくる物って何よ。全部同じ日記帳じゃん!」

私は明菜の小言を適当に受け流し、日記帳選びに集中する。

あるの、絶対。

運命の出会いってあるじゃない?

そうそう、あんな感じ。

人に運命を感じるなら
物にだって運命を感じる事だってあるでしょう?