side恋華
時計を見ると
「あっやばっ。もう帰らないと。」
7時までに家に帰らないとお兄ちゃんがうるさいんだよな。
「どうした、あぁもうこんな時間か送って行くよ。」
彼はそう言って帰る支度を始めた。
「いいよ、一人で帰れるし。」
それにもしお兄ちゃんにあったらうるさいし。
しかし彼は、はぁとため息をつき
「こんな時間帯に女一人で帰せるかよ。いくぞ。」
へー案外いいやつみたい。
ガラガラ
教室を出て廊下を歩いていると
「恋華!!」
うん!?この声はやばいっ。
「お兄ちゃん・・・」
「斗羽先輩っ。」
今にも襲いかかりそうな勢いでお兄ちゃんが
こちらを睨んでいる。
「龍牙!!てめぇ俺の妹と何してんだ。」
どうやらお兄ちゃんと彼は知り合いのようで、
しかもかなり仲の悪い知り合い。
「何もしてませんよ、ただ一緒に演奏していただけです。」
彼は先までとは違い教室での王子スマイルで答えた。
「ちっ。恋華いくぞ。」
「あの、今日はありがとう。」
そういうと
私はお兄ちゃんに手をひかれ
その場をあとにした。