六ツ谷駅から本当に歩いて1分ほどに位置する公園。 駅にくっついているんじゃないかと思うくらいの近さだが、駅とはかけ離れて静かだ。 何も言わずにベンチに座ったジローの隣に、私も静かに腰掛けた。 「加藤先生、今日で転勤だってな。さっきはその話、してたんだろ」 静かな公園の中に、ジローの低い声が響く。 「うん・・・」 私はただそう返事をしたまま、下を向いて黙った。 ジローの前だとはいえ、私はそれ以外に出せる言葉がなかった。