家庭を持った人に、私は恋をした。 それ自体報われる恋ではなかった。見ていることしかできなかったのだ、本当に。 けれどついに、見ていることしかできなかった恋で、ついにもう先生を見ていることもできなくなる。 「加藤先生、いつが最後の勤務ですか」 「ん?今日の君のいたコマで最後だよ。多分もうそろそろ、帰り支度してるんじゃないかな」 今日が最後? そんなの、いきなりすぎる話だ。 さっきまで普通に笑って授業してくれたのに、来週も会えると思っていたのに・・・