なぜよりによって、こんなときに本音が口からこぼれるのか。 思わず出た「逃がすか」の4文字に、先生もさすがに驚いて、 「お?どしたどした。逃げないから大丈夫だよ」 などと言いながら、いかにも奇人がときめきそうな「きょとん」とした顔で再び椅子に座ったのだが。 さすがの奇人も、自分の発言と先生の麗しさと、ダブルの感情に襲われいつもの2倍くらい顔に熱がこもる。