「元気だったのか?」



本当はこんな陳腐な質問をしたい訳ではない



今すぐ抱き締めて、言葉より何よりその感触を確かめたくて仕方がなかった



けれど、彼女の瞳はそれを望んではいない気がした



「ええ、ありがとうございます
元気でやってます」



そう言ってニッコリ微笑むその顔はどこか他人行儀で
俺の気持ちをドンドン嫌なところに追い込んでいく



「まさかこんなに早くここに来るなんて思わなくて、びっくりしました」


「ああ…希美に聞いて…」


「……そうですか、そりゃ早いはずだ」



そう言って美鈴は何かを思い出すように遠くの方を見ると



「もうあれから4年もたったんですね…懐かしいな…」