美鈴の冷たかったその瞳は綾香を捉えると、4年前を取り戻すかのように優しい瞳に変わっていた 「綾香…ごめん…ごめんね…」 美鈴は綾香を宥める様に、その背中を何度も擦りながら その一方でゆっくりと視線を持ち上げていく そして俺を捉えた時 その瞳は再び冷たいモノへと変わっていた 「橘先輩も…お久しぶりです」 抑揚のないその話し方 それはやはり、あの海で見た美鈴と変わりはしない 俺は何も言葉にすることが出来ずに、しばらく美鈴を見つめ返していた