目の前の女性は長い巻き髪とタイトな赤いワンピースに身を包んでいた
涼しげな目元、それとは対称的なポッテリとした唇とその横にあるホクロが印象的でとても魅力的に見える
派手な服装の割にはどこか品もある美人
年齢は30代に見えるけれど、夜の仕事をしている人は若く見えるからハッキリとはわからない
その女性は俺達の突然の登場にビックリして、その涼しげな目元をパチパチと見開いていた
「あらやだ!私ったら鍵閉めるの忘れてたかしら?」
そう言って口元に手をかざして笑う姿は幼い少女のようにも見える
この商売をしている人は本当に男を惑わす天才かも知れない
そんな仕事を美鈴もしているなんて…
俺がそんな複雑な気持ちを抱えていることを知る由もないその女性は早口で話し出した
「ごめんなさいね!まだお店は始まっていないの
オープンは8時から…」
「いえ…あの俺達は…」
俺はその言葉を急いで遮ると、その女性は再びその涼しげな目を見開くのだった



