「確かこの駅からずっと行ったところだったよね?」
「うん、そう」
「まさか、こんなに近くにいたなんてね」
綾香も同じことを思っていたようだ
美鈴がこの街にいる
走り出したくなる衝動を押さえながら足早に通りを歩いていく
飲み屋の客引き、出勤前のホステスや会社帰りのサラリーマン達でにわかに活気付いていく街
その中の若い女性と金持ちそうな初老の男性に目がつく
同伴というやつだろうか?
こんな中に美鈴も身を置いていると思うと胸にモヤモヤとした感情が込み上げてくる
「ここを曲がって…」
そんな感情を振り払うように、希美から貰ったメモに目をやりながら飲み屋の場所を探すことに集中する
辺りをキョロキョロと見回すと、少し奥まったところにメモに記された名前が目に入った



