俺はその話しを聞いて終わると、顔から火が出るほど恥ずかしかった



そして同時に酷く悲しかった



俺はそんな人間じゃない…



美鈴が思っているような上等な人間じゃない…



美鈴がいないだけでボロボロになって地に落ちていくような



どうしようもない人間だ…



けれどあいつは俺をそんな風に思っていてくれたなんて…




『それから美鈴様とは会っていません…

ただ、居場所だけは常にわかる様に調べてはいました…

渚様には申し訳ないことをしました』



希美はそう言って俺に深々と頭を下げた



けれど…



そんな希美を俺が責める権利なんてどこにあると言うんだろう




俺は再び電車の窓に目を向けると、暮れて行く町並みを眺めながら



その時に希美から受け取った、美鈴が今働いている場所の住所が記された紙をクシャリと手のひらで握りしめていた