希美は何かを思い出すように、ゆっくりと話し始めた



『私はその報告を受けて自らお住まいになっているアパートまで確認に向かいました
そしてそこに居たのは間違いなく美鈴様で…』




──美鈴様
こんなところにいらっしゃたんですね!

皆さん心配してますわよ!



『美鈴さんは随分疲れた顔をしていらっしゃって…

私を見るなり顔を歪めると、私に帰る様にとおっしゃいました

まあ歓迎されるとは思いませんでしたけれど…

私は押し出されそうになる体を堪えながら叫びました』




──どうしてですの!?


渚様はあなたを探し続けていますわ!




『美鈴様はその言葉を聞くと私を押し出すのをやめて、とても…
とても悲しそうな顔をしていました…』




──生活のことやお金のことはこの西園寺が何とか支援しますわ!

お父様の就職先なども…




『私は必死になって美鈴様に話しかけましたが、そこまで言うと口の前に美鈴様の手がかざされて言葉を遮られました…


その必要はないと…』