【完】キミがいた夏〜Four years later〜





今のこの状況に似つかわしくないセリフが私たちの間に突然割って入った



「こちらの席に座ってもかまいませんの?」



そう言って私達の了解を待たずに、私と渚の間の空席に身を落とすフランス人形の様な少女



いや、少女という歳ではもうないのだけれど、とても一歳年下とも思えない



「久しぶりだな」



渚にそう言われて、昔と比べると少し大人しくなった服装と従順な笑顔を向けるのは同じくK大に進学した希美ちゃん



キャンパスでよくすれ違うことはあるけれど、こうして同じテーブルについたのは初めてかもしれない



「渚様も綾香さんも冴えない顔をしてどうしたんですの?」