帰りの車は来た時とは正反対に静まり返っていた わくわくした気持ちもドキドキした気持ちも何処かに置き去りにしてきたように そこにあったのは美しく暮れていく町並みと 夕日に赤く染まった悲しい渚の横顔 こんな顔を一体今まで何回見ただろう? 渚は帰りの車の中でポツリポツリと海での出来事を話してくれた 美鈴に再会したこと 彼女は変わってしまっていたこと 『アサミ』と呼ばれていたこと そして これが渚をこんな状態にした一番の原因だろう 美鈴と一緒にいた人 それは 三池ヒロヤくんだったこと