お昼すぎに出かけて来て、現在午後3時を回ったところ
綾香の安全運転も手伝ってかなり時間が掛かった気がした
「うわ~!やっと着いた!」
俺は車に押し込めていた体を思いっきり伸ばしながら車から降りると、その場でストレッチの真似事をした
潮風が心地いい
やっぱり海はいい
俺は海と道路を遮った少し高くなったガードレールに手を置いて海を眺めていた
「なかなか良い海だな」
「でしょ?」
いつの間にか俺の隣に並んだ綾香が満足そうに微笑んでいる
俺もそれにお礼の意味も込めて笑顔で答えた
「でも喉かわいたな、途中で何か買ってくればよかっ…」
「あ!この近くに売ってるんだよ!あたし買ってくるね!」
「え?おい?」
突然、顔を赤くした綾香が俺の制止も聞かず、そうまくし立てて走ってどこかに行ってしまった
俺はその背中を眺めながら所在なく、また海の方へ視線を戻していた



